iPhoneのアプリ内課金について考えてみる

先日iPhone OS3.0が公開されました。色々な新機能が追加されましたが、その中のひとつに

アプリ内課金(In-App Purchase)

があります。


色々な意見が出ていますが、今のところ私としては、fladdictさんの記事に書かれた内容に概ね同意しています。

特に次の部分。

1万本のヒットアプリを作った場合で、その10%が定額課金に参加したとしても、1000ユーザーにすぎない。これに対し、350円の月額課金であったところで、月にたった50万円程度の収入だ。このスケールで定期的にコンテンツのアップデートを要求される定額課金コンテンツが運営できるか?というと疑問がある。

携帯電話ですと、月額定額課金は「アプリ単位」ではなく「サービス(サイト)単位」で行われている場合が多いと思います。サービス単位であれば、総合力で更新頻度・内容を謳いやすいですが、アプリ1本に対してそれを謳うのは容易ではないと思います。


そして記事の中での場合、まずは10,000本アプリを(最低でも115円で)販売しなければならないことが前提条件となっていますが、現状では115円アプリでも10,000本を販売すること自体が難しいです*1
で、あればfladdictさんも書かれているように

スケール的な限界がある以上、アプリ内課金で利益を上げるには、前提として北米市場である程度のユーザーを確保しなければ話にならない。ところが、北米市場で2〜3万本以上売り上げた国産アプリなど、数えるほどしかない。つまり結論としては、アプリ内課金をやってる暇があったら、それ以前に海外で販売できる力をつけることに専念すべきではないかと思うのだ。

という方向性を目指した方が良いのではないかと思っています(中小企業や個人は特に)。
無料アプリでもアプリ内課金が可能となれば、また話が変わってくるのかもしれませんけどね*2


弊社としては、当面の間「最初からアプリ内課金による利益を目指す」のではなく「販売本数が増えたらアプリ内課金で利益を増やすことを検討する」ことができるアプリ設計を行うことになると思います。
すぐ心変わりするかもしれませんが…w

*1:弊社も2009/06/19現在、トータル5,000本以下です…

*2:2009/06/19現在では無料アプリでアプリ内課金はできない